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火曜日, 9月 3

書類を無くした真のグローバル銀行になったキングバンク

【経営者の思想】
頭取は語る。
「私が営業だった頃、仕事量は多いのに悶々としていた時期があった。それは、その時は何か分からなかったが、後でなにが原因かが分かった。私は営業担当として常に収益を意識していた。だが、銀行業務の中には営業でありながら収益に結びつかない仕事がありすぎた。収益に結びつく仕事、それは突き詰めて行けばお客さんとのコミュニケーションである。それ以外の業務、コミュニケーションを円滑に進めるための下準備は別にして、は全て収益に繋がらない。私はこの収益につながることのない業務を全て投げ出しかった。それを今実現させるために動いているのです。収益をあげない業務の簡素化。これにより、営業に時間的余裕を持たせ、さらなる営業、つまりは収益に直結する業務に取り組んでもらえるような仕組みを築いてるのです」

【キングバンクの取り組み】
一、IT化の促進

◯筆跡認証、指紋システムを導入。

筆跡や指紋を、営業担当が持ち歩くタブレット端末で認識することにより、訪問販売の事務手間を大幅に作成した。書類不備も大幅に削減され、営業担当者の事務手間が減少した。今までは、書類準備➡持ち帰り➡処理という流れで、書類不備の場合、再訪問➡不備解決➡処理という無駄が生まれてた。タブレットに訪問まえにダウンロードしておいた顧客データと照らし合わせデータに不備がないかをその場で確認出来るため不備が大幅に減少、書類を準備する収益を上げない時間を削減した。

○システムの統一

銀行はその業務内容ゆえ、規模が大きく、部署が事細かく別れている。結果、全ての基盤となっているインフラシステムの開発は部署ごとに別れていることが多い。そうなった場合システム間で使い方が異なっていたり、操作方法が違っていたり、又、立ち上げにも時間がかかったりと無駄が発生していた。営業担当者は、システム毎に使い方を事細かく覚えなくてはならなかった。これが、銀行員は職人と同じだ、や銀行員は潰しが効かない、と言われる理由だ。銀行員は、幅広い業界で身につけなくてはならない知識はもちろん、その職務ゆえ法務、税務、財務、外為、あらゆる知識の完璧な習得、そしてそれを応用するコンサルタントを超えるロジカルシンキングが求められるが、会社でしか通用しない、収益を生み出さない作業を行うためのシステムの習得を優先させなくてはならなく、結果、

事務担当の役割を明確にした。今まで、役割が曖昧だったが、ブレーンワークと営業以外の義務作業については一挙に事務課が受け持つこととなった。今までは、女性に嫌われると仕事が出来ないという風潮が少なからずあり、仕事をしない事務職が幅を効かせてきた。人間関係を円滑に行い女性を使うのが銀行員、とも言われた。ただ、それは、システムの甘さを営業担当者が受け持っているという構図には変わりなかった。結果、事務を覚えるのは当たり前という、営業担当でありながらなんの収益も生むことのない業務を覚える、事務課に頼れない風潮もあり自分で結局処理しなくてはならなく、生産性が低下すると共に、営業力の向上の足枷となっていた。
事務処理と営業の完全なる専業化を推し進めた結果、顧客訪問頻度向上による親密度の改善と、学習内容の特化による営業力の強化が図られた。
事務職員の中には、自らがなぜ雇われているのか?を自覚していない人がいるが、当然でありそれは経営が何をすべきかを明確にしていないからだ。現場では裁量の範囲内で改革が行われているが、拠点毎にやり方が異なるので、営業担当は、結局必要最低限のことしかいない事務課を想定して、知識を身につけなければならない。

事務処理効率化推進委員会の設置

内部処理者の負担を減らすことを目的として作られた委員会は、全ての自動化(IT化)と簡素化を推し進めた。
IT化は、完全なるペーパーレス化であった。新たに開発された電子書籍を用いて、ペーパーによる回覧物を無くした。これにより印刷する手間が省けた。従来であれば、誤りがあり修正ると再度印刷することを何度も繰り返し、上司と部下の間を行き来する書類を、キャッチボール等といった。時間がかからないようで、印刷画面を立ち上げ印刷をし、それを取りに行きファイルに綴り直し再度提出するという一連の作業は営業体力を大幅に削ることとなった。特に人間の思考というのは十秒でもあれば、分析や創造の時間に使え、その十秒が他行の営業との勝敗が決まるのはザラである。

次に出て来たのは、簡素化である。銀行のシステムは開発担当部署により別れており、そのマニュアルの作りも形式があるにせよバラバラ、システムのインターフェイスももちろんバラバラで統一感が無く、マニュアルが無ければ使いこなせないのが当たり前だった。銀行員は職人と同じだと言われるのはこの為である。
誰でも、手順に沿って行けば事務処理ができるシステムが開発された。順番通りに行い、選択肢を選べば良いのである。銀行の事務なんてのは、パターンが決まっているから、作れるはずなのに統合以来、そのシステムは開発されていない。
若年層化がすすみ営業力強化への時間や営業体力の捻出に時間をさかなくてはならないのにもかかわらずだ。
全てをパターンで選ぶだけであれば、事務担当者も楽になり、負担感も減る。且つ、事務担当が万が一休みの際はジムが回らないなんていう事象も起きなくなる。


営業担当の実態を調査、分析し今後の施策に活用する取り組みも行われている。しかし、これには全く意味がない。なぜなら、営業担当者の中で自分が分刻みで事細かに何をしていたかを報告できるものはまずいない。しかも、人事評価に全く影響がないと宣言したとしても、個人背景が就職に関係するといわれたり、個人口座の動きが人事に関係するなんて噂が流れる組織である。正直に答える営業は何人いるだろうか?又、本当であれば、ミスだらけの日を報告してもらったほうが問題点の洗い出しに使えるのだが、一体いくらの人が自ら進んで失敗続きの日を本部に報告するだろう?

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