株式会社ソウルの事務所の前に大海は立っていた。
大海が作り出そうとしているのは世界そのもの。
その世界の根本の思想を決定する必要があった。その思想を管理しているのが株式会社ソウルだった。
奏(かなで)社長は大海に言った。
「この世の中には根本的に二つの考え方しかありません。そしてその考え方がどちらの極へ触れ幅が大きいかだけで人間の活動というのは大きく変わってきます。一つは個人が個人の為に動く利己的な考え方、そしてもうひとつ他個人が他人の為に動く利他的な考え方です。あなたがお考えの世界はどちらかといえばどちらですか?」
大海は答えた。
「もちろん後者です。そして、私は、今までに触れたことのないくらい後者に触れた世界を考え出したいと思ってる。人間は人の為に動いた時、真の力を発揮する。全員が人の為に動く。すばらしいせかいになると思いませんか?」
奏社長「思います。ぜひその世界を作ってください」
大海は奏で社長の手をとった。
「強力していただけますか?」
奏社長は大海の目をじっとみつめた。
「もちろんです」
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